「もう、辞めよう。」
2024年秋、ストレスにより不眠症になった僕は、18年勤めた県庁を辞めることを決意しました。
何年も前から「いつか辞めよう」とは思っていて、その準備も進めてはいました。
それも転職ではなく、“主夫+フリーランス”として生きていく準備を。
とはいえ、想定していたよりも早く限界がきてしまった…。
退職のタイミングが少し前倒しになったのです。
「何とかなるだろう」という思いはありつつも、やはり不安はありました。

それを心の支えに、退職に踏み切ろうとしていました。
ところが——退職願を出す数日前。
僕は「公務員に失業保険はない」という事実を知ることになります。
「は?」
一瞬頭が真っ白に。
でも、落ち込んでいる暇はありませんでした。
やるべき手続きは山ほどあったのだから。
健康保険、年金、住民税、確定申告、退職金、児童手当、学童保育……
この記事は、「公務員が退職するにあたって何をしなければいけないか」を、僕の実体験ベースで書いた記録です。
正直、バタバタしていて記憶が定かじゃない部分もありますが(笑)、これから辞めようとしている公務員の方に、少しでも参考になれば。
まず最初に:公務員に失業保険はありません

退職を考え始めてから、僕は何度も検索していました。
「退職 失業保険」「健康上の理由 退職届」——
調べる中で、「特定理由離職者」という言葉を知ります。
自己都合退職でも、健康上の理由などやむを得ない事情があれば、失業保険の給付制限が免除される制度。
「これは自分にも該当するのでは?」
そう思い、退職届の書き方、ハローワークでの申請の流れなど、2週間ほどかけて調べました。
ある日、気づいた決定的な事実
退職願を出す数日前のこと。何の気なしに「公務員 失業保険」と検索しました。
そこに書いてあったのは——
「公務員は雇用保険の適用除外。失業保険は支給されません」
え?
何回か読み返しました。
雇用保険法 第6条第4項。国家公務員・地方公務員は、雇用保険の対象外。
つまり、自己都合だろうが、特定理由離職者として認められようが、失業保険は1円も出ない😨
理由は、公務員には身分保障があり、退職時に「退職手当」が用意されているから。雇用保険の代わりに、退職金を一括で受け取る形になっている、ということでした。

でも——ガッカリしている時間はありませんでした。
とりあえず、「一身上の都合により」と理由を書いて退職願は提出。
その後は、目の前の仕事を片付けること、引継ぎの準備に注力しました。
退職手当(退職金):550万円、4月に振り込まれた

失業保険がない代わりに、公務員には退職手当があります。
民間でいう「退職金」にあたるもので、勤続年数と退職理由によって金額が決まります。
僕の場合、18年勤めての自己都合退職で、金額は約550万円。
2025年3月末が最終出勤日で、振り込まれたのは4月21日でした。
退職日の翌日から1ヶ月以内に振り込まれることが一般的だそうです。

退職手当の計算方法
地方公務員の退職手当は、おおまかに次の式で決まります。
退職手当 = 給料月額 × 支給率
支給率は「勤続年数」と「退職理由」(自己都合・定年・勧奨など)によって変わります。各自治体の退職手当条例で定められていますが、国の基準に準じているところが多いです。
自己都合退職で勤続18年なら、支給率はおおよそ15倍前後が目安(自治体によって異なります)。
正確な金額は、人事・総務担当の窓口に依頼すれば試算してもらえます。
体調を崩して辞める人は「私傷病退職」を知っておいてほしい
これは、退職後に手元の資料を見返して気づいたことです。
退職手当の支給率には、「自己都合」とは別に「私傷病等」という区分があります。
ざっくり言うと、心身の不調が理由で辞める場合、自己都合より高い支給率が適用される仕組みです。
実際の支給率を比べると、こんな感じです(国の基準ベース・勤続年数別の例)。
| 勤続年数 | 自己都合 | 私傷病等 |
|---|---|---|
| 17年 | 14.08671 | 15.6519 |
| 18年 | 15.29199 | 16.9911 |
| 20年 | 19.6695 | 19.6695 |
勤続20年あたりから差はなくなりますが、それより手前で辞める人ほど差が大きいのがわかります。給料月額30万円・勤続18年なら、差額はざっくり50万円前後。決して小さい額ではないです。
僕自身、退職の半年ほど前から不眠症で受診していました。
診断書をもらおうと思えばもらえる状態でしたが、当時は「制度として私傷病退職という枠がある」ことすら知らず、深く考えずに自己都合で出してしまいました。
健康保険:妻の扶養に入った

公務員を辞めると、共済組合の健康保険から外れます。
選択肢は大きく3つあります。
| 選択肢 | 概要 | 特徴 |
|---|---|---|
| 任意継続 | 在職中と同じ共済保険を最長2年継続 | 保険料は全額自己負担(在職中の約2倍) |
| 国民健康保険 | 市区町村の国保に加入 | 前年の収入で保険料が決まる(退職翌年は高め) |
| 配偶者の扶養に入る | 配偶者の健康保険の被扶養者になる | 保険料の自己負担なし |
僕は妻(教員)の共済組合の扶養に入ることを選びました。
収入がなくなるため、扶養の基準(年収130万円未満)は問題なくクリア。自己負担ゼロは、かなり助かりました!
手続きは妻の職場を通じて行い、それほど複雑ではありませんでした。
年金:第3号被保険者になった

健康保険と同時に、年金の手続きも必要です。
在職中は公務員共済(厚生年金)の被保険者でしたが、退職後は国民年金への切り替えが必要になります。
配偶者(妻)の扶養に入る場合は、第3号被保険者として申請することで、国民年金保険料の自己負担がなくなります。
妻が公務員・教員(共済組合員)であっても、第3号被保険者の申請はできます。
手続きは妻の職場を通じて行いました。健康保険の扶養申請と同時に進められることが多いです。
児童手当:退職後15日以内に市役所へ

在職中は職場(県庁)から支給されていた児童手当が、退職後は市役所への申請が必要になります。退職後15日以内という期限があります。
僕は退職11日後の4月11日に申請。所得判定は令和5年分がベースになるため、受給者はそのまま僕が継続になりました。
妻にすぐ切り替わるのかなと思っていたので、ちょっと意外でした。
退職したからといってすぐ受給者が変わるわけではなく、申請時点で直近の確定した所得(僕の場合は令和5年分)で判定されるという仕組みなんですね。
学童保育:継続利用のために書類を出した

小学生の娘が学童保育を利用していたので、手続きが必要でした。
学童の利用条件は「保護者が就労等の理由で昼間不在であること」が多く、親が退職するとその条件が変わります。
僕の場合、退職して主夫になったものの、フリーランスとしての活動も始めたので、継続利用を認めてもらえました。
退職後、保護者の仕事が変わった旨を伝える書類を提出。
事前に退職の旨は伝えてあったのでスムーズでした。
なお、利用が継続できるかどうかは、学童あるいは自治体によって変わる可能性があります。
僕のように、働いているとはいえ在宅の時間が長い場合、利用継続できないこともあるかもしれません😓
うちの地域は、学童の待機とかもなさそうなので、基準が緩かったのかも。
住民税:普通徴収に切り替わって、年27万円

これ、退職する公務員あるあるらしい。
在職中は給与から毎月「特別徴収」として住民税が天引きされています。退職すると給与天引きがなくなり、自分で納める「普通徴収」に切り替わります。
退職後しばらくして、市役所から住民税の通知書が届きました。
年間267,000円。
4期に分けての納付で、こんな感じです。
| 期 | 納期 | 金額 |
|---|---|---|
| 第1期 | 6月末 | 69,000円 |
| 第2期 | 9月初旬 | 66,000円 |
| 第3期 | 10月末 | 66,000円 |
| 第4期 | 翌2月初旬 | 66,000円 |

確定申告:退職した年は自分でやる

公務員は毎年、勤務先で「年末調整」をしてもらいます。
でも、退職した年に再就職しない場合は年末調整がないため、自分で確定申告が必要になります。
僕は2025年3月末退職だったので、2025年分(1〜3月の給与)について、翌年2〜3月に確定申告をしました。
慣れない手続きで面倒でしたが、わからないところはAIに聞きながらなんとか終えました!
手続きのタイムライン
ここまでの手続きを、時系列でまとめておきます。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 退職前・在職中 | 退職手当の試算(人事課へ)、「退職所得の受給に関する申告書」提出 |
| 退職直後(できるだけ早く) | 健康保険の切り替え申請、年金(第3号)申請、児童手当の認定請求(市役所)、学童保育の継続申請 |
| 退職後約1ヶ月 | 退職手当の振り込み確認 |
| 退職後〜翌年6月頃 | 住民税の納付書が届く |
| 翌年2〜3月 | 確定申告 |
まとめ:辞めたい公務員のあなたへ
公務員を辞める際の手続きは、けっこう多いです。
失業保険がないというショックから始まり、健康保険・年金・住民税・児童手当・確定申告……
バタバタしながら一個ずつ対応していきましたが、振り返ると「もっと早く知っておきたかった」と思うことが何点かあります。
特に気をつけてほしいのは3点:
① 失業保険はない。退職手当と貯蓄で生活設計を立てる
体調を崩して辞める場合、「私傷病退職」に該当する可能性もあるので人事に確認を。
② 健康保険・年金・児童手当は退職直後に手続きが必要
遅れると不利益が出ることも。とくに児童手当は15日以内。
③ 住民税の負担は退職してから重くのしかかる
給与天引き(特別徴収)から自分で納める「普通徴収」に切り替わり、しかも前年(在職中)の所得で計算されるから金額が大きい。
公務員生活を終えることは、最初は怖かったです。
でも、準備して一個ずつ手続きを終えていくと、ちゃんと次の生活が始まります。


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