退職後の健康保険は3択|任意継続・国保・家族の扶養、元公務員の僕は「妻の扶養」を選んだ

退職・お金の手続き

会社や役所を辞めると、それまで当たり前に使っていた健康保険証が使えなくなります。

次の保険を自分で選ばないといけない――でも、ここで何も考えず国民健康保険にすると、退職直後はかなり高くつくことがあります💦

元県庁職員18年→早期退職して主夫FIREしたなおです!

退職後の健康保険には、実は3つの選択肢があります。

そして、選び方しだいで年間の負担が大きく変わります💡

この記事では、僕が実際にどう選んだかを、3択の比較とあわせてお伝えします。

とくにFIRE・早期退職を考えている人には、見落としがちな注意点があるので最後まで読んでみてください。

この記事でわかること

  • 退職後の健康保険は「任意継続・国保・扶養」の3択であること
  • 負担が最も軽いのは扶養で、筆者が実際に保険料ゼロにできた理由
  • 退職直後の国保が高くなる仕組みと、手続きの期限(任意継続20日・国保14日)
  • 扶養なら年金も「第3号」でセットでゼロになること
  • FIRE勢が注意すべき「配当・売却益と130万円の壁」の落とし穴

結論:僕は「妻の扶養」に入り、保険料の自己負担はゼロになった

先に結論です。

僕は退職後、教員である妻の健康保険の扶養(被扶養者)に入りました。

これにより、僕の分の健康保険料の追加負担はゼロになっています。

退職後の健康保険でいちばん負担が軽いのは、条件さえ満たせば、この「家族の扶養に入る」パターンです。

ただし誰でも入れるわけではなく、ここにFIRE特有の落とし穴もあります(後述)。

なお
なお
共働きで配偶者が会社員・公務員なら、「扶養に入る」は最有力候補。ここを知らずに国保に直行すると、もったいないことになります。

退職後の健康保険は「3択」

退職後の健康保険は3つの選択肢

その前に、この記事が誰向けかをハッキリさせておきます。

退職してすぐ別の会社や役所に転職する人は、原則そのまま転職先の健康保険に入るので、基本的に悩む必要はありません(退職と入社のあいだに空白期間があるときだけ、下の話が関係します)。

この記事が役立つのは、しばらく働かない人――FIREや早期退職、独立・フリーランス、主夫/主婦になる人、そして転職までに間が空く人です。僕(主夫FIRE組)もここに当てはまります。

そんな人の選択肢は、大きく次の3つです。

退職後の健康保険 3択の早わかり

項目① 任意継続② 国保③ 扶養
保険料の目安これまでの約2倍(上限で頭打ち)前年所得ベースで高くなりがち追加負担ゼロ
期限・条件退職後20日以内。最長2年退職の翌日から14日以内に届出(誰でも入れる)家族の健保+収入要件を満たす人
年金とのセット国民年金に自分で加入国民年金に自分で加入第3号被保険者=年金もゼロ

① 任意継続:それまでの健康保険を続ける

退職前に入っていた健康保険を、辞めたあとも最長2年間継続できる制度です。手続きは退職後20日以内と期限が短いので注意。

ただし在職中は保険料を会社(職場)と折半していたのが、退職後は全額自己負担になります。
ざっくりこれまでの約2倍のイメージ。ただし保険料には上限があるので、給料が高かった人ほど“きっちり2倍”にはならず、上限で頭打ちになることが多いです。
前年の所得が高い人は、次の国保より安くなることもあります。

もうひとつ。以前は途中でやめにくい制度でしたが、今は任意のタイミングで脱退できるようになりました(2022年の改正)。

なので「最初は任意継続→国保や扶養が安くなったら切り替える」という動き方もできます(※脱退の申出方法やタイミングの細部は共済組合・健保組合によって異なるので、加入先に確認を)。

② 国民健康保険(国保):市区町村の保険に入る

自営業の人などが入る、市区町村の健康保険です。
手続きは退職の翌日から14日以内に、お住まいの市区町村の窓口で行います。

保険料は前年の所得をもとに計算されるため、退職直後は「前年フル所得」ベースで高くなりがち住民税と同じ“1年遅れ”の構造です。

どれくらい高いのか、実際の自治体の料率でざっくり試算してみます。

前年の年収が600万円ほどだった単身者の場合、国保は年40〜55万円ほどになります(年齢・自治体・年度によって変わります)。

働いていないのに、いちばん高い保険料が来る――退職直後の国保はここが厳しいわけです。

ひとつ注意点。会社員がリストラや倒産など会社都合で辞めた場合は、国保の保険料が大幅に軽くなる制度(非自発的失業者の軽減)があります。

ただしこれは雇用保険の仕組みに乗った制度
雇用保険に入っていない公務員は、退職理由にかかわらず対象外です。

「調べたら軽減があるらしい」と期待して窓口に行くと空振りするので、先に知っておいてください。

③ 家族(配偶者)の扶養に入る:条件を満たせば負担ゼロ

配偶者などが会社員・公務員で、その健康保険に入っている場合、条件を満たせばその扶養(被扶養者)に入れます

この場合、あなたの分の保険料の追加負担はありません

3択の中ではいちばん負担が軽い。僕はこれを選びました。

しかも扶養のメリットは健康保険だけではありません。配偶者の扶養なら、年金も「第3号被保険者」になれます。

国民年金の保険料(年20万円超)も払わずに済む――健康保険と年金、ダブルでゼロです。
具体的にいくら得かは第3号被保険者の記事で計算しています。

さらに、共済組合や大企業の健保組合には「付加給付」(医療費が高額になった月に、自己負担をさらに軽くしてくれる上乗せ給付)があり、被扶養者もその対象になります。
高額療養費の記事で書いた「退職すると付加給付が消える」問題も、共済の扶養に入れば妻の傘の下に戻れる、というわけです。

ただし、配偶者が自営業(国保)だったり、そもそも扶養してくれる家族がいない場合は、この選択肢は使えません。その場合は①任意継続と②国保の2択になります。

選び方はこの順番💡

Q. 家族の健康保険に入れてもらえる?
(配偶者が会社員・公務員 + 自分の収入要件OK)
YES ▼
③ 扶養
保険料ゼロ+年金も第3号
NO ▼
①任意継続 と ②国保
両方試算して安い方を選ぶ

※期限は任意継続20日以内・国保14日以内。辞める前に動いておくのが安全です。

僕自身は扶養に入ったのでこの2つは試算していませんが、調べ方はシンプルです(退職した年の源泉徴収票があるとスムーズ)。

① 任意継続の目安

給与明細の健康保険料 × 約2倍(労使折半がなくなるため)。
正確な額は加入先(協会けんぽ・健保組合・共済)に問い合わせれば教えてもらえます。

② 国保の目安

「(市区町村名)国民健康保険料 試算」で検索
自治体の試算ツールに前年の所得を入れれば概算が出ます。

なぜ僕は「扶養」を選べたのか

わが家は、妻が教員(公務員)で安定した健康保険に入っています。
そして退職後の僕は、給与収入がほぼゼロ
この条件がそろっていたので、妻の扶養に入ることができました。

「妻の扶養に入る」と聞くと抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、制度上は性別に関係なく使える、ごく普通の選択肢です。わが家は迷わずこれを選びました。

手続きは、妻の勤務先――公立学校共済組合を通して行いました。

会社員の配偶者が入る健康保険組合とは窓口が違い、扶養(被扶養者)の届出は妻の職場経由で出す形です。

必要だった書類は、僕の場合は退職を証明する書類と、収入を確認する書類(源泉徴収票など)が中心でした。

退職して僕の給与収入がほぼゼロになったこともあり、書類を出したあとは比較的すんなり認定されました。

僕が扶養に入るまでの流れ

1
妻の勤務先(公立学校共済組合)を通して、扶養(被扶養者)の届出を出す
2
退職を証明する書類と、収入を確認する書類(源泉徴収票など)を提出
3
数週間〜1か月ほどで認定。ただし保険証が手元に届くまではタイムラグあり

ただ、ひとつだけ実体験として伝えておきたいのが「保険証が手元に来るまでのタイムラグ」です。

※これは僕が手続きした2025年3月時点の話。2024年12月から紙の保険証は新規発行されなくなったので、いまは認定後に「マイナ保険証への資格反映」または「資格確認書」の交付という形になります。反映までタイムラグがある点と、その間の流れ(10割立替→あとで戻る)は同じです。

僕の場合、認定までに数週間〜1か月ほどかかりました。

その間にかかりつけのクリニックにかかったのですが、まだ保険証がないので窓口では保険が使えず、いったん全額(10割)を自己負担

ただ、僕の場合は後日、そのクリニックの窓口で返金してもらえました。(この返金の扱いは医療機関や時期によって違って、医療機関でそのまま精算してもらえることもあれば、保険者への「療養費」の申請になることもあります。)

💡 保険証が来るまでに受診したら
扶養の認定は退職日などにさかのぼるので、空白期間に10割払っても、あとでお金は戻ってきます。戻り方はだいたい2ルート。
資格確認書(またはマイナ保険証)を持って医療機関の窓口へ(タイミングが合えば、その場で精算して返金してくれることがある)
間に合わなければ、保険者に「療養費」を申請(後日、自己負担3割を除いた7割が口座に振り込まれる)
どちらも領収書(原本)が必須。請求期限は支払った日の翌日から2年なので、資格確認書が届いたら(マイナ保険証に反映されたら)早めに動くのが安心です。

⚠️ FIRE・早期退職の落とし穴:「扶養=収入ゼロ」とは限らない

扶養=収入ゼロとは限らない落とし穴

ここまで「扶養が最強」と言ってきましたが、知らないと入り口ではじかれる条件があります。

扶養に入るには「被扶養者の年間収入が一定額未満」という収入要件があります(よく言われる130万円の壁。※60歳未満の場合。年齢や障害の有無で180万円基準になることもあります)。

問題は、FIRE勢の多くが給与はゼロでも、配当や投資の利益といった“不労所得”があること。ここで多くの人がモヤッとする3つを、先に整理します。

含み益(評価益)

カウントされない。
売っていなければ「収入」ではない

配当・利子

カウントされうる。
継続的な収入とみなされるのが一般的

売却益(取り崩し)

保険者しだい。
継続的な売却は「恒常的な収入」になりうる

売却益の数え方の詳細は、第3号被保険者の記事の「落とし穴」で整理しています。

ここで気をつけたいのがNISA。「NISAは非課税だから扶養の収入にも関係ないだろう」と考える人がいますが、これは別の話です。
非課税はあくまで税金の世界の話で、扶養判定は「実際にいくら受け取ったか」で見られることがある。NISA口座内の配当でも、判定にカウントされる可能性があります(扱いは保険者による)。

⚠️ ここは必ず配偶者の保険者に直接確認を
「給与がないから当然扶養に入れる」と思い込むのは危険です。配当・売却益・各種給付(失業給付など)が収入として扱われると、扶養に入れない/外れることがあります。判定基準は保険者ごとに異なる(年間130万円だけでなく、月額換算で見る運用もある)ので、配偶者の勤務先の健康保険窓口で、自分のケースを具体的に確認するのがベターです。

※ 失業給付は会社員向けの話。②で触れたとおり公務員は雇用保険の対象外なので、この心配はそもそもありません。

僕の場合:インデックス投資だから、そもそも問題が起きなかった

では僕自身はどうだったか。正直に言うと、配当について身構える必要がありませんでした
理由はシンプルで、僕の投資は無配当・低配当のインデックスファンドが中心だから。
受け取る配当がほぼゼロなので、そもそも収入要件に引っかかりようがないんです。

これは戦略の副産物として、地味に大きいメリットでした。
逆に言うと、高配当株や高配当ETFでFIREする人は要注意!配当という“確実な収入”が毎年入ってくるぶん、それが130万円の壁を越えて扶養に入れない/外れる引き金になり得ます。
同じFIREでも、「インデックスか高配当か」で扶養のしやすさが変わる――ここは資産形成のスタイルを決める段階から意識しておくといいかもしれません。

なお
なお
「FIREしたから収入ゼロ=扶養楽勝」とはいかないのが、ここの怖いところ。配当を取りにいくスタイルの人ほど、事前確認が必要です。

まとめ:まず「扶養に入れるか」を確認。入れれば最強

まとめ:まず扶養に入れるか確認
  • 退職後の健康保険は①任意継続 ②国保 ③扶養の3択
  • 負担がいちばん軽いのは③扶養(条件を満たせば保険料の追加負担なし)。年金も第3号でセットでゼロになる
  • 入れないなら任意継続と国保を試算して安い方。任意継続は退職後20日以内、国保は退職の翌日から14日以内が期限
  • FIRE勢は配当・売却益が収入要件に入るかを保険者に事前確認(含み益は無関係/NISA内でも油断しない)
  • インデックス中心なら配当ほぼゼロで扶養と相性◎、高配当FIREは壁に注意

「とりあえず国保」で動く前に、扶養という選択肢があることだけは知っておいてください。わが家はこれで、健康保険の負担をまるごと抑えられています。

なお
なお
健康保険は「知ってるかどうか」で年間の負担がはっきり変わる分野。3択だけでも頭に入れておくと得します。

あわせて読みたい

退職後の手続き(年金・住民税・児童手当・確定申告など)を全部まとめた総集編はこちら。

公務員を辞めた後にやること全部|失業保険がないと知った日から、手続きが終わるまでの全記録

扶養に入ると年金側でいくら得になるのか、具体的な数字はこちら。

専業主婦・主夫は年金でいくら得してる?|第3号被保険者の僕が正直に計算した

扶養に入ったまま資産を取り崩すとき、株の売却や配当は「収入」に数えられる?白とグレーの整理はこちら。

株の売却や配当で扶養から外れる?|FIRE後の「収入130万円」の数え方を、元公務員が調べ尽くした

国保を選んだ人へ。株の配当や売却益が保険料に響く時代への備えはこちら。

FIRE後の社会保険料はNISAで守る|金融所得に保険料がかかる時代が来る


📦 ご注意
健康保険の制度・保険料・扶養認定の基準は、加入する保険者や年度・個人の状況によって異なります。具体的な判断は、必ずご自身の状況にあわせて各保険者にご確認ください。
この記事は、筆者なお自身の体験と判断をもとに執筆しています。文章の編集・校正にAIを活用していますが、内容の最終確認は筆者本人が行っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました