こんにちは、18年勤めた県庁を早期退職し、主夫FIRE中のなおです(→ 主夫FIREとは?)。
いきなりですが、みなさんは 遺族年金 のこと、ご存じですか?

「名前くらいは知ってるよ~」
「自分に万が一のことがあったとき、遺族におりる年金でしょ?」
そのとおり。遺族年金は、ざっくり言うと 一家の働き手が亡くなったときに、遺された家族の生活を支えてくれる公的な年金 です。
では——あなたに万が一のことがあったとき、ご家族に いくら おりるか、ご存じですか?

たぶん、ほとんどの人が答えられないと思います。かつての僕も、まったく分かっていませんでした。
でも、この遺族年金を知ることは、家計の見直しでめちゃくちゃ大事なポイント なんです。
一番の理由は、民間の保険が自分にどれだけ必要かが見えてくる から。公的にいくら入るのかが分かって初めて、「じゃあ保険でいくら足せばいいか」が決まります。逆にここを知らないと、保険が過剰にも過少にもなってしまうんですね。
(→ 保険の見直しの記事はこちら: 保険、入りすぎてない?元公務員が選んだ『最低限』)
本記事では、遺族年金の基礎知識・もらえる額の計算・2028年改正の影響を、できるだけやさしく整理します。資産形成やFIREを考えるうえでも土台になる話なので、ぜひ最後まで読んでみてください😄
遺族年金は「2階建て」

まず全体像から。遺族年金には2種類あります。
- 1階:遺族基礎年金 … 子育て世帯向け。誰でも同じ「定額」
- 2階:遺族厚生年金 … 会社員・公務員だった人の遺族向け。給料に応じた「報酬比例」
自営業・フリーランス(国民年金だけ)の人は1階のみ。会社員・公務員(厚生年金)の人は1階+2階、というイメージです。
① 遺族基礎年金(子育て世帯の土台)
もらえる人
「子のある配偶者」または「子」。ここでの“子”は、18歳になった年度末まで(障害がある場合は20歳未満)の子を指します。
つまり、子のいない人や、子が大きくなった後はもらえません。子育て期を支える年金 です。
- 基本額:年 831,700円
- 子の加算:1人あたり 年 239,300円(3人目以降は別単価)
- 例:子1人 → 年 約107万円(月 約8.9万円)
- 例:子2人 → 年 約131万円(月 約10.9万円)
いつまで
末の子が18歳になった年度末まで。そこで終了します。
遺族基礎は「定額」なので、条件(子がいるか/いつまでか)さえ分かればシンプルです。ややこしいのは、次の2階部分。
② 遺族厚生年金(会社員・公務員の上乗せ)

もらえる人
厚生年金に加入していた人(または受給要件を満たす人)が亡くなったとき、その遺族。受け取る順位は、配偶者・子が最優先です。
いくら
亡くなった人の 老齢厚生年金(報酬比例部分)の約4分の3(3/4)。給料が高かった人ほど多くなります。
3/4をかける前の「報酬比例部分」とは、ざっくり言うと 将来あなたがもらう予定の老齢厚生年金のうち、現役時代の給料と加入期間で決まる部分。たくさん稼いで長く働いた人ほど大きくなります(公務員はここに該当)。
計算式は一応ありますが(平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数)、自分で計算しなくて大丈夫。その材料も結果も、「ねんきん定期便」(毎年、誕生月に届くハガキ)や「ねんきんネット」(マイナポータル連携) に載っています。
👉 やることはシンプル。ねんきん定期便で「老齢厚生年金」の見込み額を見る → その3/4 → それが、遺された家族におりる2階部分の目安です。
なお、現役で働いている最中(在職中)に亡くなった場合は、加入期間が短くても 「300月(25年)加入したものとみなして」計算 される救済があり、若くして亡くなっても一定額が確保されます。
いつまで(ここが2028年に変わる部分)
これまでは、妻が受け取る場合は原則“終身”でした。ただし 2028年4月から、子のない60歳未満の配偶者は男女とも原則5年の有期給付 に変わります(60歳以上で死別した場合は、これまでどおり無期給付)。
ただし、切り替わり方が男女で違うのがポイント。男性は2028年4月から一斉に新制度、女性は約20年かけて段階的に移行 します。そのため 2028年度末(2029年3月末)時点で40歳以上の女性は、当面これまでどおりの扱い。「男女とも5年」とはいっても、いま40代の女性がすぐ5年で打ち切りになるわけではない、ということですね(詳細は後述のリンク先)。
【公務員・退職を考える人へ】辞めたあとは、この2階部分が変わる
実は、在職中に亡くなるか、退職後に亡くなるかで、遺族厚生年金の手厚さが変わります。ここは公務員・早期退職を考える人ほど知っておきたいポイント。
在職中(厚生年金の加入中)に死亡 →「短期要件」
加入期間が短くても 300月(25年)みなし で計算され、手厚い。
退職して加入者でなくなった後に死亡 →「長期要件」
みなし300月はなく、実際の加入実績ベース で計算。しかも 受給資格期間25年(300月)以上 がないと、そもそも遺族厚生年金が出ません(自分の老齢年金は10年でもらえますが、遺族厚生の長期要件だけは今も25年のまま)。
つまり、現役のうちは「みなし300月」という“見えない保障”に守られていますが、早期退職するとそこが弱まる可能性があります。だからこそ、辞めたあとは自分の資産で備える発想 が大事になってきます。
「で、18年働いた我が家は、実際どうだったの?」——元公務員の僕が自分のねんきん定期便で当てはめてみたら、“あと数年足りない”という盲点が見つかりました。その実例は当事者記事で。
おさえておきたい3つの注意点
1. 子がいるかどうかで大きく変わる
遺族基礎年金は「子育て世帯向け」。子がいない/子が独立した後は、1階部分は出ません。
2. 自営業か会社員・公務員かで段が違う
国民年金だけの人は2階(遺族厚生)がありません。世帯の働き方で受け取れる額が大きく変わります。
3. “中高齢寡婦加算”という上乗せもある
夫を亡くした一定年齢の妻に上乗せされる加算(2025年度 年623,800円)があります。ただしこれも2028年4月以降の新規受給者から段階的に縮小されていきます。
2028年の改正で、何が変わる?

2028年4月から遺族年金は大きく見直されます。要点だけ言うと——
- 軸は「男女差の是正」。これまで薄かった夫(主夫)側の保障が手厚くなる
- 子のない60歳未満の配偶者は、男女とも 原則5年の有期給付 へ(増額・継続給付・死亡時分割などの配慮つき)。ただし 男性は2028年4月から一斉適用、女性は約20年かけて段階移行(2028年度末に40歳以上の女性は当面現行どおり)
- 子育て世帯はマイナス改正の対象外。むしろ遺族基礎年金の 子の加算が1人あたり約28万円に増額 され、3人目以降も同額に(現行は第3子以降が減額)
「5年で打ち切り」という見出しだけが独り歩きしていますが、実際は一律打ち切りではありません。
まとめ:まず「自分の家でいくら入るか」を出す
- 遺族年金は2階建て(遺族基礎+遺族厚生)
- 遺族基礎は子育て世帯の土台(子2人で月約10.9万円・末子18歳の年度末まで)
- 遺族厚生は会社員・公務員の上乗せ(老齢厚生年金の報酬比例部分の約3/4)
- 自分の2階部分は「ねんきん定期便の老齢厚生年金 × 3/4」で見当がつく
- 公務員は要注意:在職中の手厚い保障(みなし300月)が退職で弱まり、遺族厚生には「受給資格期間25年」の壁もある
- 2028年改正の本体は「男女差の是正」。子育て世帯はマイナス改正の対象外で、むしろ子の加算は約28万円に増額
保険を考えるなら、まずこの遺族年金で 自分の家にいくら入るか を出してみてください。そのうえで足りない分だけ保険で補えば、過不足のない備えになります。
完璧な計算は要りません。「公的保障がある」という前提を持つだけで、保険の入りすぎはかなり防げますよ。
具体的な家計のあてはめは、当事者記事(上のリンク)でどうぞ。
病気・入院に備える公的保障はこちら → 高額療養費制度とは?2026年8月の引き上げと「医療保険を増やさない」判断


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