
扶養と収入の計算をすればするほど、心の底からそう思いました。
18年勤めた県庁を辞めて主夫になった僕に、今、短時間の仕事の話が来ています。
まだ働き始めてもいません。
それなのに、週に何時間なら扶養の範囲に収まるのか、ほかの仕事を受けたらどうなるのかと、計算ばかりしています。
働いてみてから考えたいことがたくさんあるのに、働く前から時間を減らす話になっている。
先日は、扶養についての質問を紙に書いて、妻に職場へ持っていってもらいました。
今は、その回答を待っているところです。
この記事は、扶養の線を気にしながら働き方を決めることへの、いら立ちの記録です。
「扶養内で働こうかな」と考えている人の、参考になればうれしいです。
※ここでいう扶養は、税金の扶養(配偶者控除)ではなく、健康保険と年金の「社会保険の扶養」の話です。
📖 この記事でわかること
- 扶養の基準は「年130万円」だけではない
- 交通費も副収入も、まとめて数えられる
- 少しだけ超えると、手取りが減る
- 先の読めない副収入があると、もっとややこしい
- 扶養内で働く前に、確かめておきたいこと
一度は断った仕事に、もう一度声がかかった

声をかけてくれたのは、以前お世話になった人です。
家から遠いこともあって、一度はお断りしました。
それでも、勤務時間や仕事の内容をかなり融通してくれるとのこと。
ちょっと心が動きました。
📝 声をかけてもらった仕事
- 時給制の、短い時間の勤務
- 週に何日でもよく、曜日も固定しなくていい
- 期間は年度末まで
職場は遠いけれど、週2日程度、1日5〜6時間なら、時間の面では、家事や育児、今やりたいこととも両立できるかもしれないと思いました。
今は、OKする方向で考えています。
すぐにお金に困るわけではありません。
でも先々のことを考えると、やっておこうかな、という気持ちもありました。
ところが、ここに「扶養」が割り込んできます。
扶養の線は「年130万円」だけじゃなかった
僕は、公務員の妻の扶養に入っています。
そのおかげで、自分では健康保険料も国民年金保険料も払っていません。
扶養には、収入の基準があります。
有名なのは「年収130万円」ですが、それだけではありませんでした。
📝 妻の共済の、扶養の基準(ざっくり)
- 年間の収入が130万円未満であること
- 月の収入でも見られる。月108,334円以上が続くと外れる
- 給料だけでなく、交通費も、副収入も合算
- 最初から、基準月額を超える月が3か月を超えて続くと分かっていれば、働き始めた日から外れる
※月108,334円は、130万円を12で割った額です。
たとえば年度末までの数か月だけなら、合計は130万円に届きません。
「なら大丈夫か」と思ったら、月の額でも見られるので、そうはいかない。
交通費は、税金ではかからないのに、扶養の判定では収入に入ります。
通うためにかかったお金を、返してもらっているだけなのに。
しかも、今回の職場は家から遠い。
遠いぶん交通費も増えるので、よけいに不利になります。

小さな副収入も、足されます。
税金では給与から給与所得控除を差し引きますが、今回の社会保険の扶養判定では差し引きません。
額面のまま見られます。
ちなみに、よく聞く「106万円の壁」(月8.8万円の条件)は、2026年10月になくなりました。
今、勤務先の社会保険に入るおもな条件は週20時間以上などで、週20時間未満の僕には当てはまりません。
働く前から「1日30分」を削っている

時給は、まだ決まっていません。
決まっていないのに、計算だけは先に進みます。
仮に時給1,800円として、週2日働いた場合を出してみました。
| 1日の勤務 | 月の収入(平均) | 扶養の基準 |
|---|---|---|
| 5時間半 | 約10.4万円 | 月平均では基準未満 |
| 6時間 | 約11.1万円 | 超える |
※時給1,800円は仮の数字です。交通費と、月1万円ほどの副収入を含めた月平均です。出勤日の多い月は超えることもあります。
1日6時間だと、基準を超える。
5時間半なら、残り月5,000円弱で内側に収まる。
しかもこの数字には、交通費が月8,000円ほど入っています。
それがなければ、1日6時間でも内側に収まる計算です。
この表を見て、僕の口から出たのは「だったら11時間かなぁ」でした。
週2日×5時間半で、週11時間です。

まだ働き始めてもいないのに、1日30分を削る計算をしている。
いら立ちの正体は、たぶんここです。
少しだけ超えると、手取りが減る
扶養から外れると、何が起きるのか。
国民年金と国民健康保険を、自分で払うことになります。
💴 扶養から外れたら増える負担(僕の場合)
- 国民年金:月17,920円(2026年度)
- 国民健康保険:月2,000円台(前年の所得が少なく、軽減を受けられる前提)
合計:月およそ2万円
※国民健康保険は、住んでいる自治体と前年の所得で大きく変わります。前年に所得がある人は、もっと高くなります。
さきほどの表で、1日5時間半を6時間にすると、給料は月7,800円ほど増えます。
でも保険料が月2万円かかるので、手取りは月1万2,000円ほど減ります。
30分多く働いて、手取りが減る。
よく聞く「年収の壁」を、自分の数字で見るとこういうことでした。
しかも、払った国民年金で、将来の年金が増えるわけではありません。
扶養に入っている期間も、保険料を払った期間と同じように数えられるからです。
つまり、年金の上では、払うメリットが1つもありません。
週20時間以上で勤務先の社会保険に入るなら、話は別です。
保険料は職場と半分ずつで、厚生年金も増えます。
週20時間未満のまま、扶養だけ外れる。
これが、いちばん割に合わない。

でも、月2万円となると、無視できないんですよね。
だから、超えるなら一気に超えたい。
ちびちび超えるのだけは、できれば避けたい。
じゃあ、どうするか。
考えた案は、この3つです。
| 考えた案 | 気になっていること |
|---|---|
| 扶養の範囲に収まるよう、勤務時間を抑える | 実際に働く前から時間を調整することになる |
| 外の仕事に、ライティングも足して稼ぐ | 本数も継続も安定していない |
| 外で働く時間や日数を増やす | 迎えの時間や、家のことに使う時間とぶつかる |
どの案にも、気になるところが残ります。
結局また、振り出しに戻ります。
ややこしさが増すのは、先が読めない副収入

給料だけなら、見通しは立ちます。
ややこしいのは、副収入です。
僕には、月1万円ほどの小さな副収入と、ときどき入るライティングの仕事があります。
こちらは、多い月で数万円。
ゼロに近い月もあります。
週11時間の試算だと、基準までの残りは月5,000円弱。
記事を1本書けば、それだけで超えてしまいます。
では、毎月決まって入るわけではないライティング収入は、扶養の判定でどうカウントされるのでしょうか。
公開されている資料を読んでも、僕の場合がどうなるのかは分かりませんでした。
そこで、聞きたいことを紙にまとめて、妻に職場で確認してもらっています。
📮 妻に確認してもらっていること
- 給料と、月によってばらつく副収入を、どう合わせて判定するのか(毎月足すのか、年間で見るのか)
- 副収入から引ける経費は何か
- 基準を超えたら、いつから扶養を外れるのか
新しくライティングの仕事を探すのも、回答が出るまでいったん止めました。
考えてみれば、これも立派な働き控えです。
本当は、働いてから決めたい
引っかかっているのは、ここです。
🤔 始めてみないと分からないこと
- 週1〜2日の勤務で、仕事をちゃんと覚えられるのか
- 家事や育児と、バランスが取れるのか
まずは1か月くらいやってみて、それから考えたい。
それが本音です。
ところが、妻が入っている公立学校共済は、働く前の「見込み」でも判断します。
最初から基準月額を上回る月が3か月を超えて続くと分かっていれば、働き始めた日から扶養を外れます。
つまり、その「まず1か月」の働き方を決める時点で、もう扶養に縛られているんです。

扶養の仕組みそのものに文句を言いたいわけではありません。
僕自身、その仕組みに助けられている側です。
腹が立つのは、この仕組みです。
働いてほしい職場があって、働きたい人もいる。
それなのに、制度が働き控えをうながしている。
正解は人それぞれ。だからこそ、先に確認する

本当は、「どう働きたいか」を先に考えたい。
でも、扶養を外れたときの負担が大きい以上、制度を無視して働き方を決めることもできません。
扶養内に収めるのか、扶養を外れて働くのか。
正解は、人によって違います。
大切なのは、制度を知ること。
そして、自分の収入がどう扱われるのか、働き始める前に確認しておくことです。
扶養内で働くことを考えている人に、先に確かめておくとよいことをまとめます。
✅ 扶養内で働く前に確かめたいこと
- 勤務先の社会保険に入る線(週20時間)と、配偶者の扶養の線は別
- 年130万円だけでなく、月108,334円でも見られるか
- 副収入はどう数えるか(毎月足すのか、年間で見るのか)、経費はどこまで引けるか
- 外れたら増える負担を、自分の数字で月いくらか出してみる
- 分からないところは、配偶者の勤務先を通して保険者に聞く
ルールは、加入している健康保険や共済によって違うことがあります。
ネットの情報より、配偶者の保険者の答えを優先してください。
これは、僕だけの話ではないと思います。
扶養内でパートをしている人も、退職したあとに少しだけ働こうとする人も、同じ線にぶつかります。
時給が高い人や、職場が遠い人ほど、短い時間で基準を超えてしまいます。
それでも週20時間に届かなければ、保険料は全部自分持ちです。
早期退職を考えているなら、「辞めたあと少し働く」ときの扶養の線も、頭に入れておくといいかもしれません。
OKする方向とはいえ、時給も勤務時間も、まだ決まっていません。
回答で、副収入を年間で数えてもらえたら。
それなら当面は超えないし、扶養内でもそれなりに働けます。
働く時間は、やっぱりバランスで決めたい。
負担が少なくて、迎えにも副業にも余裕が残るくらいに。
📮 追記:妻の職場から回答がありました
ちょっとした副収入は、数えなくてもいいとのこと。
給料が月10.8万円を超えなければ、大丈夫なようです。
交通費は入るものと考えておくとしても、週12時間なら内側に収まりそうです。
1日30分を削る計算は、しなくてすみました。
それでも、線を少しでも超えたら月2万円かかる仕組みは、何も変わっていません。

それを知ったうえで、それでも働きたければ超えればいいし、そうでもないと思ったら控えればいいと思います。
- 公立学校共済組合「被扶養者の範囲」:年額130万円未満/基準月額を3か月連続で上回ると取消/あらかじめ3か月を超えて続くと分かっている場合は雇用された日から取消
- 日本年金機構「国民年金保険料」:2026年度は月17,920円
- 日本年金機構「2026(令和8)年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました」

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