「わざとでは?」
県庁で働いていたころ、手当の担当課から、扶養手当のもらいすぎを指摘されました。
僕自身の申告ミスでした。

ひたすら謝りました。
僕は18年勤めた県庁を、2025年3月に辞めました。
今は主夫をしています。
前に、児童手当の受給者を変えた話で、扶養手当を約16万円もらい損ねた失敗を書きました。
実は、その前にもう1回、扶養手当でしくじっています。
今度は逆で、もらいすぎて返した話です。
国家公務員の扶養手当は、2026年度に配偶者の分がなくなりました。
僕がいた県でも、配偶者の分はなくなっています。
僕と同じ失敗は、配偶者の分では起きなくなりました。
でも、その原因になった仕組みは、今も変わっていません。
子どもや親の分で、同じことが起こります。
📖 この記事でわかること
- 公務員の扶養手当の今(2026年度)。国は配偶者の分をなくした
- 扶養手当は、増えるときと減るときで、届出が遅れたときの扱いが違う
- 僕がもらいすぎて返した話と、その原因
- 配偶者分がなくなった今、気をつけたいこと
国家公務員の扶養手当は、2026年度に配偶者の分がなくなった

扶養手当は、家族を養っている職員の給料に付く手当です。
国家公務員の場合、配偶者の分は段階的に減らされ、2026年度でなくなりました。
| 年度 | 配偶者の分(月額) |
|---|---|
| 2024年度 | 6,500円 |
| 2025年度 | 3,000円 |
| 2026年度 | なし |
そのかわり、子どもの分は増えています。
📝 今の扶養手当(国家公務員・2026年度)
- 子ども:1人月13,000円(22歳になった年度の末まで)
- 高校生・大学生の年代の子ども:1人5,000円を上乗せ
- 60歳以上の父母・祖父母:1人月6,500円
- 22歳になった年度の末までの孫・弟妹:1人月6,500円
- 配偶者:なし
※管理職などは、父母などの分が減ったり、出なかったりします。
地方公務員の扶養手当は、自治体ごとに条例で決まります。
多くの自治体は、国に合わせて見直しています。
僕がいた県も、そのひとつです。
自分の職場の額は、給与担当に確認してください。
収入の多い家族は、対象にならない
扶養手当の対象は、「ほかに生計の手段がなく、主に職員に養われている家族」です。
年130万円以上の、恒常的な収入が見込まれる家族は、対象になりません。
大学生の年代(高校を出たあとの4月から22歳の年度末まで)は、年150万円が基準です。
ここでいう収入は、給料だけではありません。
たとえば、育休中に出る育児休業手当金(会社員の育児休業給付金にあたるお金)も、恒常的な収入として数える自治体があります。
この「育休中の手当金」が、僕の失敗に関わってきます。
扶養手当は、増えるときと減るときで扱いが違う

扶養手当は、家族の状況が変わったら届け出る決まりです。
子どもが生まれた、家族の収入が増えた、といったときです。
ここで知っておきたいのは、届出が遅れたときの扱いが、増えるときと減るときで違うことです。
| 変化 | 遅れずに届け出たら | 届出が遅れたら |
|---|---|---|
| 手当が増える(子どもが生まれた等) | 翌月から増える | 届けた月の翌月から。さかのぼってはもらえない |
| 手当が減る(家族の収入が増えた等) | 翌月から減る | 事実があった翌月にさかのぼって減る。もらいすぎた分を返す |
※国の規則では、増えるときは「事実から15日以内」に届け出れば、事実の翌月から増えます。
増えるほうは、遅れると損をします。
減るほうは、遅れると返すことになります。
我が家では、この両方が起きました。
- 1回目減るほうの届出をせず、もらいすぎて返した(この記事)
- 2回目(その翌年)増えるほうの付け替えが処理されず、もらい損ねた(児童手当の記事に書いた話)
僕が扶養手当をもらいすぎて、返した話

きっかけは、妻の育休でした。
教員の妻は、2人目の出産をはさんで、4年近く育休をとっていました。
その育休の途中で受けたのが、冒頭の指摘です。
多く受け取った分は、まとめて返しました。
金額は、数万円だったと思います。
「なぜ手続きしなかったのか」に、答えられなかった
担当課からは、「なぜ手続きをしなかったのか」と聞かれました。

わざとではありません。
ただ、何も考えていなかったのも事実です。
原因は、2人目の出産後の届出漏れだったと考えています
記録は残っていませんが、当時の状況から、原因はこれだったと考えています。
当時は、配偶者も扶養手当の対象でした。
1人目の育休の手当金が終わったあと、僕は妻を扶養手当の対象にしていました。
ところが、育休中の妻には、共済から育児休業手当金が出ます。
自治体によっては、この育休の手当金を扶養手当の「恒常的な収入」として数えます。
📌 育休中の配偶者と扶養手当(当時の考え方)
- 育休の手当金が出ている間:収入の見込みが基準を超えるので、対象にならない
- 育休の手当金が終わったあと:収入の見込みが基準を下回れば、対象になる
その後、妻は育休の途中で2人目を出産しました。
産前産後休暇中の給与や、2人目の育休の手当金が入るようになったため、本来は妻を対象から外す届出が必要でした。
ところが、僕は何も届け出ませんでした。
これが、もらいすぎにつながったと考えています。
時系列にすると、こうなります。
| 時期 | 扶養手当 |
|---|---|
| 1人目の育児休業手当金が出ている間 | 対象外 |
| 1人目の育休の手当金が終わったあと(無給の育休中) | 対象になれる |
| 2人目の産前産後休暇中(通常は給与あり) | 対象外 |
| 2人目の育児休業手当金が出ている間 | 対象外 |
| 2人目の育休の手当金が終わったあと(職場に戻るまで) | 対象になれる |
※公立学校の常勤教員は、産前産後休暇中も通常は給与が出ます。育休の手当金は、原則として子どもが1歳になるまで出ます。
対象になれる時期と、なれない時期が、出産をはさんで切り替わったわけです。
僕は、2人目の出産で妻の収入が再び増えたあとも、妻を対象にし続けていました。
その結果、妻に給与や育休の手当金が入る時期にも、扶養手当を受け取っていたと考えています。
何も考えていなくても、手当は毎月振り込まれ続けます。
届け出なければ、止まりません。
配偶者分がなくなった今、気をつけたいこと

配偶者の分がなくなった職場では、僕と同じ形の失敗は起きなくなりました。
でも、「減るときの届出が遅れると、さかのぼって返す」仕組みは同じです。
今も、こんなときに起こります。
⚠️ 扶養手当が減る(なくなる)ことがある場面
- 子どもがアルバイトや就職で、年130万円(大学生の年代は150万円)を超えそうになった
- 対象にしている親の年金や収入が増えた
- 共働きで、子どもの手当を受け取る親を変えた(育休、職場復帰、退職など)
共働きの夫婦が受け取る側を変えるときは、増える側と減る側の手続きが同時に起きます。
片方だけ進んで、もう片方が落ちると、もらい損ねたり、もらいすぎたりします。
我が家は、その両方を経験しました。
✅ あとから返すことにならないために
- 家族の収入や状況が変わったら、その月のうちに給与担当に伝える
- 届けるべきか迷ったら、まずAIに聞いて確かめる点を整理し、最後は給与担当に聞く
- 年に1回は、給与明細の扶養手当の欄を見る
AIへの聞き方の例
「大学生の子どものアルバイト収入が増えてきた。公務員の扶養手当で、届け出が必要か確かめたい。何を確認すればいいか教えて」
まとめ|手当は、こちらから言わないと止まらない
国家公務員の扶養手当は、2026年度に配偶者の分がなくなりました。
それでも、届出の仕組みは変わっていません。
📌 この記事のまとめ
- 国の扶養手当は、子ども1人月13,000円。配偶者の分はなくなった
- 年130万円以上の恒常的な収入が見込まれる家族は、対象にならない
- 増えるときの届出が遅れると、さかのぼってもらえない
- 減るときの届出が遅れると、さかのぼって返す
僕の失敗の原因は、制度の難しさより、何も考えていなかったことでした。
手当は、こちらから言わないと止まりません。
家族の状況が変わったら、まず給与担当に一言。
「わざとでは?」と聞かれたときの、背筋が凍るような感覚は、今も忘れられません。
みなさんには、僕と同じ経験をしてほしくないと思っています。
- 一般職の職員の給与に関する法律 第11条(扶養手当):扶養親族の範囲と手当額
- 人事院規則9-80(扶養手当):年130万円以上の恒常的な所得が見込まれる者を除く/扶養の事実などが変わったら速やかに届出/増額は15日以内の届出で事実の翌月から、減額は事実の翌月から
- 栃木県「育児休業における扶養親族認定の取扱いについて」:育児休業手当金などを恒常的な所得として扱う例
- 公立学校共済組合「出産手当金の請求手続き」:産前産後休暇は通常有給で、給与が減額されない場合は出産手当金の対象外
※扶養手当の額や手続きは、勤務先の条例・規則によって異なります。正確な扱いは、勤務先の給与担当にご確認ください。


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