公務員はFIREに不向き?|資産は作れる、でも収入は「加速できない」元県庁職員の答え

主夫FIRE体験談

「公務員のままFIREって、できるのかな?」

そう検索して、このページにたどり着いた方も多いんじゃないでしょうか。

こんにちは、なおです。僕は18年勤めた県庁を早期退職して、今は主夫FIRE生活中です!

(※FIRE=Financial Independence, Retire Early。資産と支出を整えて、働かなくても生活が回る状態をつくり、早期リタイアすること。わが家の形はこちら → 主夫FIREとは?

当事者だった僕が、公務員はFIREに向いているのか、煽りも美談も抜きで、ありのままに整理してみますね。

まず、県庁で働いていた頃の実感から。

安定は、本当にありがたいものでした。でも、いざ「もっと稼ぎたい」と思ったとき、その手段がない。副業はできないし、給料は給料表で決まっていて頭打ち。「稼ぎたいのに、稼ぐ手が打てない」。この感覚、心当たりのある方もいるんじゃないでしょうか。

前置きするなお

先に、僕の考えを書いておきます。

📌 この記事の結論

「公務員はFIREに向いているか?」——僕個人の考えとしては、どちらかというと、向いていません。

資産を“作る”土台は、むしろ強い。向いていないのは、収入を“加速”させることのほうです。副業ができないので、稼ぐペースを上げられないんですよね。

ただ、「だから諦めろ」という話ではありません。大事なのは、その向き不向きを踏まえて、自分に合う進み方を選ぶことです。

では、公務員の“強み”と“弱み”を、順に見ていきます。

強み|安定収入だから、投資をコツコツ続けられる

安定した収入を土台に、コインや積み木がコツコツ積み上がって資産が育っていくイメージ

公務員の良い面から、フェアに話します。ここは、けっこう強いんです。

そもそもの話を、ひとつ。FIREを目指すなら、貯金だけではなかなか届きません。NISAなどで投資をして、お金にも働いてもらいながら、資産を育てていくのが基本になります。そして、その投資でいちばん大事なのは、派手に増やすことより、「コツコツ積立を続けること」なんです。

ところが、これが意外と難しい。相場が下がって含み損が出ると、人は怖くなって積立をやめたくなります。ボーナスが減れば、投資に回すお金を削りたくなる。この「やめたくなる瞬間」を、どれだけやり過ごせるか。そこが勝負なんですよね。

その点、公務員は強いんです。倒産もリストラもほぼなく、相場が荒れても来月の給料は変わらず入る。だから、淡々と積立を続けられる。暴落の真っ最中でも表情ひとつ変えずに買い続けられる立場は、実はすごく貴重なんです。

僕自身、安定した収入があったからこそ、2022年の暴落のときも、コツコツと積立を続けられました。もし、あのとき怖くなって投資をやめていたら——今ごろ早期リタイアできていたかどうか、正直わかりません。特別なことは、何もしていないんです。安定が、僕を「続けさせて」くれた。それだけでした。

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だから「公務員はFIREに向いてない」と一括りにするつもりはありません。資産を“作る”スタート地点なら、公務員はむしろ恵まれているとさえ思います。

納得するなお

ここまでなら『公務員、FIRE向いてるじゃん』って話なんです。問題は安定の裏側です。

弱み|副業ができない=収入を「加速」できない

上向きの矢印(収入)が天井につかえて、それ以上は伸びない頭打ちのイメージ

公務員は、副業が自由にはできません。営利目的の副業や自営は、任命権者(職場のトップ)の許可が必要で、実務上のハードルはかなり高い。気軽に「ちょっと副業で」というわけにはいかないんですね。これが、FIREでは大きな足かせになります。

資産が増えるスピードは、運用しだいの面もありますが、大きいのは「どれだけ投資に元手を回せるか」。その元手を増やす手段を並べると——

💰 収入(元手)を増やす手段は?

  • 昇給する → 給料表で頭打ち
  • 副業する → 許可が要る(実質むずかしい)
  • 残業する → 手当は出るが、筋は良くない

攻めの手が、ほとんど封じられているんですよね。努力で収入を増やすことに、限界がある。 FIREを早めたい人にとって、ここがいちばんの弱点だと思います。

唯一わかりやすく上乗せできるのが、残業手当です。やった分は返ってくる、数少ない手ではあります。でも、これをあてにするのは筋が良くない。残業は、家族と過ごす時間や心の余裕を削って成り立つものですし、そもそも残業が出るかどうかは部署次第で、自分では選べません。

ひとつだけ、補足を。

💡 残業手当は「申請してこそ」

自治体や職場の運用にもよりますが、残業手当は「働いたら自動でぜんぶつく」というより、時間外勤務の命令や申請といった手続きにもとづいて支給されます。だから、必要な残業をしたのに申請しない、というのは違う。やった分は、堂々と受け取っていい。 空気を読んで泣き寝入りする必要は、ありません。

ちなみに、うちの妻は教員なんですが、教員には給特法という仕組みがあって、どれだけ残業しても時間外手当が出ません(代わりに一律の上乗せが少しあるだけです)。それを見ていたので、残業した分が手当になる地方自治体の職員は、まだ恵まれているほうだな——と、当時は思っていました。

副業ができないと、「稼ぐ力」も育ちにくい

もうひとつ。副業ができないことは、辞めた後にも、じわっと効いてくることがあります。

公務員の仕事は、利潤を追求するものではありません。そこに加えて、副業も禁止。となると、「自分の力でお金を稼ぐ」経験を積む場が、現役のあいだ、ほとんどないんですよね。だから、稼ぐスキルもマインドも育ちにくい。

これが効くのは、辞めて「自分で稼ごう」としたとき。僕自身、まさにそうでした。

ため息をつくなお

辞めてから、自分でも稼ごうとしているんですが……これが、驚くほどうまくいかない(笑)。“自分で稼ぐ”って、こんなに難しいものなんですね。

もちろん、専門的な資格や技術があって、それで独立できる人もいます。ただ、正直それは稀なケース。当てはまらない人も多いと思うので、「そういう面もある」くらいに聞いてください。

📋 公務員のFIRE、ここが弱い

  • 在職中 … 副業ができず、収入を加速させられない(いちばんの弱点)
  • 退職後 … 自分で稼ぐ力が育ちにくい(人によっては効いてくる)

コツコツ資産を築くのには向いている。でも、自分の力で稼ぎを増やしたり、早めたりはしにくい。ここが、僕が「どちらかというと向いていない」と思う理由です。とはいえ、向いていないなりの戦い方は、ちゃんとあります。

じゃあ、どうするか|進み方は2つ

二股の分かれ道の前に立って、どちらの道を選ぶか考えている人物

進み方は、大きく2つに分かれます。どちらが偉いという話ではありません。違うのは、時間をかけるか、リスクを取るかです。

進み方(a) 時間をかけて、ゆっくり育てる

公務員を続けたまま、使える手段を全部使って、コツコツ育てる道です。地味ですが、これがちゃんと効きます。

ここで一点、見落とされがちなことを。支出を下げるのは、資産を増やすためだけじゃありません。 辞めた後に必要なお金そのものを小さくする、という大きな意味があります。生活費が小さければ、FIREに必要な資産も小さくて済む。つまり、ゴールが手前に近づくんです。

NISAについても、ひとこと。

💡 NISAだけは、早く始めて損はない

NISAは、早く始めるほど時間を味方にできます。枠に上限はありますが、運用益に税金がかからない、数少ない強い味方です。手段が限られる公務員だからこそ、NISAも含めて、できることは早めに手をつけておきたいですね。

ただ、(a)にも弱点はあります。この道では、収入の天井そのものは変えられません。だから、どうしてもゆっくりになる。時間をかけて、じっくり育てる。それが(a)です。

僕がこの道で、わりと早く辞められたのには、理由があります。妻も教員という安定した仕事をしていたからです。妻の収入のおかげで世帯の資産は増えやすかったし、何より、僕が辞めた後も妻の安定収入が見込めた。本来この(a)は時間のかかる道ですが、僕の場合は、ここがかなり恵まれていました。

しみじみ語るなお

妻の安定があったし、何より、稼ぎを取りに行くより家族との時間を選びたかった。それに……もう組織で働くのも、しんどかったんです。

進み方(b) リスクを取って、早く目指す

もうひとつは、リスクを取ってでも、早い到達を目指す道。具体的には、副業OKの民間へ転職して、副業もやる。封じられていた「副業で稼ぐ」が手に入ります。

しかも、さっきの「稼ぐ力が育たない」問題にも、手を打てます。「稼ぐ力がないからこそ、副業ができる環境で鍛えに行く」。民間で働く経験に、副業の実践が加わって、力がついていきます。

ただし、誰にでも勧める道ではありません。転職にはリスクがあるし、向かない人もいます。効きやすいのは、若いうちほど。 そして、辞めた後も自分で稼いでいきたい人。 逆に、辞めたら静かに取り崩して暮らせればいい、という人なら、わざわざ環境を変える旨みは小さいかもしれません。

それと、これは強調しておきたいんですが——向き不向きは、本当に人によります。 公務員には、前例や決まったやり方を重んじる、独特の風土があります。その空気が、どうにも合わない人は確実にいる。僕の友人にも、思いきって民間に移って、前より生き生きと働いている人がいます。新しいことに挑戦したい人にとっては、公務員の風土が、かえって窮屈に感じることもあるんですよね。

だから僕は、「公務員なんだから、辞めずに続けるべき」とも思いません。安定が幸せな人もいれば、それが物足りない人もいる。そこは、人それぞれです。

もし少しでも気になるなら、辞める・辞めないを決める前に、一度、転職活動をして自分の“市場価値”を知っておくのはおすすめです。実際に動くかどうかは、それから決めればいい。知っておくだけで、選択肢の見え方が変わります。

打ち明けるなお

打ち明けると、僕も一度、ハローワークや転職エージェントに相談に行ったことがあります。結果は……住んでいる地域で、僕の専門性に合う条件のいいところは、なかった(笑)。「市場価値を知る」って、こういう現実も含めて、ということなんですよね。

それに、(b)は公務員の安定や退職手当を手放す決断でもあります。ここは、軽く見ないでください。

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(a)と(b)を、並べてみる

観点 (a) 時間をかけて育てる (b) リスクを取って早く
安定 手放さない いったん手放す
収入の天井 残る(節約・NISA・世帯で補う) 破れる可能性がある
FIRE到達 ゆっくり・着実 うまくいけば早い
向いている人 着実に進めたい人・共働きで世帯に安定収入がある人 若い人・早く着きたい人

どっちに体が傾きますか。その感覚が、たぶん答えに近いです。

結び|あなたは、どっち?

「公務員はFIREに向いているか」。僕の答えは、やっぱり「どちらかというと、向いていない」。時間をかければ、資産は築けます。でも、それで“早期”リタイアできるかというと、正直、びみょうなところ。収入を加速させる手段がないので、どうしてもゆっくりになるんです。

でも、諦める話ではありません。進み方は2つある。時間をかけてゆっくり育てるか、リスクを取ってでも早く目指すか。 どちらにも、ちゃんと道があります。

ひとつ言えるのは、手段が限られるぶん、できることは早めに、なるべく多く手をつけておいたほうがいい、ということ。NISAも、固定費の見直しも、早いほど効いてきます。

僕自身は、(a)の道を選びました。ただ、たまたま妻が安定して稼いでいたおかげで、本来は時間のかかるこの道を、わりと早く抜けられた。恵まれていたと思います。今は遅ればせながら、自分で稼ぐ力のほうを少しずつ鍛えています。

「あなたもこっち」とは言いません。あなたが欲しい暮らしと、使える時間と、取れるリスク。それを並べて、自分で選んでほしいんです。

🧭 最後に、自分に聞いてみてください

——時間をかけて、着実に進めますか。

それとも、多少のリスクを取ってでも、早く着きたいですか。

その答えが出たなら、この記事の役目は果たせたと思います。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。それでは、また!

※本記事は筆者個人の体験と考えをまとめたもので、特定の働き方・退職判断・投資手法を勧めるものではありません。副業や残業手当の扱いは自治体・職場により異なります。最終的な判断はご自身の状況に合わせて(必要に応じて専門家にも相談しつつ)行ってください。
この記事は、筆者なお自身の体験と判断をもとに執筆しています。文章の編集・校正にAIを活用していますが、内容の最終確認は筆者本人が行っています。

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