「3000万円あれば、仕事辞められる?」
県庁を退職する前、僕が何度も自問自答していた疑問です。
こんなマイナーなブログにたどり着いたあなたも、そこが知りたくて読んでくれているんじゃないでしょうか。
もちろん条件次第ですが、あえて言います! できる、と。
資産3,000万円で主夫FIREした僕の生活が、その答えそのものです
こんにちは、18年勤めた県庁を辞めて、主夫FIREしているなおです!
(※FIRE=Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)。お金の不安を減らして、早めに会社員人生から降りる、くらいの意味です。わが家の形はこちら → 主夫FIREとは?)
退職したのが2025年3月。この記事を書いているのが2026年6月なので、辞めてから1年と3ヶ月が経ちました。この記事では、「3000万円で辞めたわが家に、実際なにが起きたか」を、家計簿の数字をもとにお話しします。
公務員を辞めたいけど、いくら資産が必要かわからない、そんなあなたの参考になる記事だと思いますので、ぜひ最後までお読みください😄
- 総資産3000万円で公務員を辞めたわが家の、1年後のリアルな数字
- 「3000万円では無理」という一般論が、実は正しい理由
- それでもわが家が成立した「主夫FIREの式」
- あなたの場合は何万円必要か——自分で計算する手順
まず「フルFIRE」で計算すると1億円かかる
FIREでいちばん有名なのが、働かず資産収入だけで暮らす「フルFIRE」。
これをやるには、生活費の25倍の資産が必要だと言われています。
わが家の年間支出は400〜440万円ほど。少なく見積もっても、
1億もの資産が必要、という計算になります。
おいおい、話が違うじゃねえか!
3000万円で仕事辞めたんじゃないの?
そのツッコミはごもっとも。ふつうは辞めようと思いません(笑)
わが家の場合、もともと夫婦共働き(2人とも公務員)だったところを、僕だけ先にリタイアさせてもらった形。
妻はこの先も仕事を続ける予定なので、1人分の安定収入が見込めるんです。
とはいえ昨今、子持ちなら共働きじゃないと食べていけない、なんて言われる時代。
正直、無職になることへの不安はありました。
それでも、わが家の家計と必死で向き合った結果、「辞めても大丈夫!」という結論にたどり着いたんです。
辞める前に、まず家計を見直した
では、「辞めても大丈夫」と思えた過程を順番にお話しします。
過去記事でも書きましたが、まずは家計を見直すことから始めました。
わが家はマネーフォワードMEという家計簿アプリを導入して、収支を「見える化」しました。
見直す前の支出は、年500万円ほど。
子ども2人の4人世帯としては、世間の平均値と同じくらい。数字だけ見れば、ごく普通の家計でした。
ところが、よく見てみると——わが家の財布は、穴だらけだったんです。
ここで大事なのは、「平均より使っているか」ではありません。
どれだけムダに使っているか、です。
そしてわが家には、そのムダが多すぎました。
特に大きかったのが、携帯と保険。
思考停止で大手キャリアに払い続けていたスマホ代は、格安SIMに乗り換えるだけで年6万円が浮きました。
さらに、入りすぎていた保険を見直したら、こっちはなんと年20万円。
大物はこの2つですが、あとは細かいところもコツコツと。
使ってないサブスクの解約、ふるさと納税の活用、コンビニ弁当やペットボトルを買う回数を減らす……。
ひとつひとつは小さくても、積み上がると、ちゃんと効いてきます。
こうして節約前とくらべると、支出は年間でざっと60万円——月にならすと、約5万円ほど軽くなりました。
- 携帯 → スマホを格安SIMにした話
- 保険 → 保険を見直した話
その結果、今の年間支出は400〜440万円ほど。
世間の平均と比べると、1〜2割ほど低い数字です。
めちゃくちゃ倹約しているわけじゃないですが、けっこうコンパクトな家計になったな、と思っています。
辞めても詰まないと確信できた、収入と支出の話
もともと、僕と妻はどちらも公務員で、収入に大きな差はありませんでした。
2人とも、手取りで年480万円くらい。
合わせれば1,000万近くになるので、収入面ではかなり恵まれていた方だったと思います。
ここで見てほしいのは、その収入と支出を並べてみたときの話です。
さっき書いたとおり、わが家の支出は見直しで500万→440万円ほどに減りました。
これがどういうことかというと——1人分の収入だと赤字だった家計が、黒字に変わったということなんです。
これは、早期リタイアを決めるうえで、めちゃくちゃ精神的に楽になりました。
毎月赤字なのと黒字なのとでは、心の余裕がまるで違います。
そこに、資産収入もそれなりに見込める。
「わが家の家計が詰むことはない」と確信できた。
これが、僕が早期リタイアに踏み切った最大の理由です。
もちろん資産の額も大事です。でも、それ以上に大事なことがある。
1億持っていても、家計が大赤字ならいずれ詰み得る。逆に1千万でも、毎年黒字なら詰まない。
突発的な出費は、ある程度の貯金と最低限の保険でカバーできます。わが家は、常に500万円以上の貯金は確保するようにしています。
結局、セミリタイアにはいくら必要なのか

ここで一回、数字をちゃんと整理させてください。
さっき計算したとおり、フルFIRE(働かず資産収入だけで暮らす)に必要なのは、生活費の25倍。
わが家の支出を少なく見て400万円としても、
…はい、1億。3000万円じゃ全然足りません。
「3000万でセミリタイア? ムリでしょ」と言う人は、正しいんです。この式で計算する限りは。
でも、わが家には1個だけズルい条件がありました。
妻が働き続けてくれている、ということ。
これがあると、計算式がガラッと変わります。
資産で賄わなきゃいけないのは「生活費まるごと」じゃなくて、収入で足りない”不足分”だけでよくなる。
なんのことはない、これはサイドFIREの考え方とまったく同じです。
自分で少しだけ働いて不足分を埋めるのがサイドFIRE。わが家はその”働く人”が妻だった、というだけの話。
わが家の数字を入れてみます。
- 年間支出:約440万円
- 妻の手取り:約480万円
そう、わが家の生活費は、妻の手取りの範囲におさまっている。
しかも直近1年は、父の傘寿のお祝いや、火災保険の一括払い22万円など、例年よりだいぶ支出が膨らんだ年でした。
それでも、ぎりぎりトントンに収まるくらい。
つまり、生活費のために資産をガリガリ取り崩す必要が、そもそも無いんです。
じゃあ3000万円は何のためにあるのか。大きく2つです。
- 将来の教育費(進学費用など):子ども2人分、今ジュニアNISAなどで確保中
- 生活防衛資金:何かあったとき用に、常に500万円以上はキープ
つまりわが家の3000万円は、「毎日の生活を支えるお金」というより、「万が一」と「子どもの未来」と「心の余裕」のためのバッファ。
だから3000万円で、僕は仕事を辞められました。
- 共働きで、片方が辞めても黒字 → わが家タイプ。資産はバッファでOK
- 片方が辞めると毎月赤字 → その不足分 × 25 が、最低限ためておきたい金額
- 独身で少し働くサイドFIRE → 「働く人」が自分になるだけ。やっぱり不足分 × 25
- 独身で完全リタイア → 不足分=生活費まるごと。やっぱり1億コース
自分がどこに当てはまるか、まずは「家計の不足分」を出すところから。
具体的な手順は、このあと順番に説明します。
子ども2人の教育費はどう準備しているか
あとは、子どもたちが高校を卒業するころに必要になる教育費。
今のところ、子ども1人あたり約500万円ずつ確保しています。中心はジュニアNISAです。1人ぶんの元本240万円が、運よく相場に恵まれて、今は約500万円に育ってくれました。
ちなみにジュニアNISAは2023年末で新規受付が終了済み。今あるのは既存分を非課税のまま寝かせている形で、これから始めるなら新NISAになります。
私立大学に進むならもう少しほしいところですが、まだ8年以上は時間があるので、まあ運用でなんとかなるだろう、と構えています。
わが家の総資産は、ぶっちゃけいくらか

僕の場合、退職を決意した時点で、わが家の総資産は2,500万円ほどでした。
内訳は、運用に回していたのが1,800万円、残りは現金や預貯金で700万円ほど。
さらに退職手当が約550万円もらえる見込みだったので、退職直後には資産が3,000万円に達する——そう想定していました。
退職直後、相場の下落に直撃された話
退職直前の2025年2月。運用資産が2,000万円に到達しました。
「このまま辞めれば、現金と退職手当を合わせて3,000万円を超えるな」と、ニヤニヤしていました。
ところが、です。
辞める直前に相場が下がって、退職した2025年3月末には運用1,900万円。
さらにその直後、トランプ関税ショックで相場が急落。運用資産は一時1,700万円くらいまで落ち込みました。
辞めた直後にこれです(笑)
当たり前ですが、ピークのタイミングで辞められるとは限らない。
それでも踏み切れたのは——もうしつこいですが——家計が赤字にならないから。
資産がいくらか目減りしても、毎月の生活が回るなら、慌てて売る必要はない。ここでも効いてくるんです。
| 時期 | できごと | 資産の状況 |
|---|---|---|
| 2024年秋 | 退職を決意 | 総資産2,500万(運用1,800万) |
| 2025年2月 | 退職直前・運用ピーク | 運用2,000万 |
| 2025年3月末 | 退職 | 運用1,900万 |
| 退職直後 | 関税ショックで急落 | 運用一時1,700万 |
| 退職手当 入金後 | 約550万円が加わる | トータル3,000万スタート |
最終的には、退職手当が約550万円入って、トータルで当初の想定どおり3,000万円スタートになりました。
1年後、資産はどうなったか|答え合わせ
で、辞めてから1年とちょっと。
今、わが家の総資産はどうなっているか。
約4,500万円です。
3,000万円スタートだったので、1年ちょっとで1,500万円ほど増えたことになります。
……と書くと景気のいい話に聞こえますが、ここは正直に言います。
これは、相場の追い風がめちゃくちゃ大きい。
僕が何か特別なことをしたわけじゃなくて、たまたまこの1年、株式市場が好調だっただけ。来年は普通に減る可能性だってあります。だから「辞めたら1.5倍になりますよ!」なんて言うつもりは1ミリもありません。
それより僕が伝えたいのは、増えた金額そのものより、こっちです。
この1年、生活費のために資産を取り崩すことは、一度もありませんでした。
無職になったのに、です。
理由はもう分かりますよね。生活費が、妻の手取りの範囲におさまっているから。入ってくるお金で日々の暮らしが回るので、資産そのものには手をつけなくていい。だから、減らない。
さっき言ったこと、覚えてますか。
1億持っていても赤字なら詰み得る。1千万でも黒字なら心配ない。
わが家の1年は、まさにそれを地で行く結果になりました。
3,000万円という数字は、あくまでその安心を支えるバッファだったんです。
あなたのセミリタイア必要額を計算してみよう
ここまで読んで、「で、自分の場合はいくらなの?」と思いますよね。
さっきの式に、あなたの数字を入れるだけです。順番にやってみましょう。
- 年間支出を出す
まずは1年でいくら使っているか。これが分からないと話が始まりません。家計簿アプリ(わが家はマネーフォワードME)を入れて、3ヶ月でいいので眺めてみてください。たぶん、わが家がそうだったように「財布の穴」が見つかります。携帯、保険、サブスク。ここを塞ぐだけで、必要資産はガクッと下がります。 - 働く人の手取りを出す
配偶者が働き続けるなら、その手取り。自分が少し働くサイドFIREなら、自分の収入。わが家なら、妻の手取り約480万円ですね。 - 不足分を出す
「年間支出 − 手取り」を計算します。
・プラス(赤字)なら → その金額が、毎年資産から取り崩す額
・マイナス(黒字)なら → おめでとうございます、わが家タイプです - 不足分 × 25
赤字だった人は、その不足分に25をかけます。たとえば年100万円の赤字なら、100万 × 25 = 2,500万円。これが生活費を支えるのに必要な資産。 - 防衛資金(と、子がいれば教育費)を足す
最後に、何かあったとき用の生活防衛資金(わが家は常に500万円以上)を足します。子どもがいる人は、これに将来の教育費(わが家は2人分を別枠で確保)も上乗せしてください。
これで出た金額が、あなたの「セミリタイア可能ライン」です。
今ある資産と比べて、どうでしょう?
この「×25」は、いわゆる4%ルール——資産の4%ずつ取り崩しても、高い確率で30年はもつ——が下敷きになっています。ただ、これはもともとアメリカの、しかも30年間を想定した話。40代でリタイアして50年スパンになる場合や、取り崩しを始めた直後に暴落が来るケース(まさに、僕が辞めた直後の関税ショックみたいなやつ)まで保証してくれるわけではありません。
あくまで目安として捉えてください。
公務員がセミリタイアする前に知っておきたいこと
最後に、ちょっと前までの僕と同じ公務員の人に向けて。
公務員を辞めると、失業保険は出ません。 雇用保険の対象外なので、会社員なら数ヶ月分もらえる失業給付が、僕らにはゼロ。
(→ これは辞める前に知っておきたい話なので、失業保険がなかった話 に詳しく書きました)
とはいえ、過度に身構える必要はありません。
公務員は退職手当が比較的しっかりしているからです。わが家も約550万円あって、これが3,000万円到達の大きな後押しになりました。失業保険がない分を、退職手当がうまく埋めてくれる。トータルで見れば、会社員より不利ということはないと思います。
ひとつだけ実務的なことを言うと、保険は”辞めたあと前提”で見直しておくのがおすすめ。在職中の手厚い保障の一部は、辞めると変わるからです。そこだけ押さえておけば大丈夫。
おわりに|大事なのは資産の額じゃない

「3000万円でセミリタイアできるか?」
答えは、できる。
ただし、条件があります。それは「収入で、暮らしがまわること」。
ここでいう収入は2種類あります。
働いて得る収入と、資産から取り崩す収入(資産収入)。
このどちらか、あるいは両方の合計が生活費を上回っていれば、セミリタイアは成り立ちます。
わが家はたまたま、”働く収入”——妻の手取り——だけで生活費がまわりました。
だから資産にはほぼ手をつけず、3,000万円がまるごとバッファになった。正直、これはかなり恵まれたケースだと思います。
でも、あなたがもし「働く収入だけじゃ足りない」としても、大丈夫。
その不足分を、資産収入で補えばいい。記事の中盤でやった「不足分 × 25」が、まさにそのための資産額です。
だから、本当に向き合うべきなのは、資産の”額”そのものより、収入と支出のバランスです。
「いくら貯めれば辞められる」と頭を抱えている人ほど、先にやることがある。
支出の穴を塞いで、不足分を小さくする。 これだけで、必要な資産は一気に現実的な数字まで下がってきます。
僕がこの1年で手に入れたのは、1,500万円増えた資産……ではなく、朝、子どもを「いってらっしゃい」と送り出して、夕方「おかえり」と迎えられる毎日でした。これがいちばんの配当だと、本気で思っています
あなたの「辞められるライン」は、たぶん思っているより近い。
まずは家計簿アプリを開いて、わが家の財布にいくつ穴が空いているか、数えてみるところから。
その第一歩に、このブログの他の記事も役に立つはずです。
それでは、また!

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